高齢になると、少しずつ体重が減ってきたように感じる猫は少なくありません。
しかしその「痩せ」は、年齢のせいではなく、内臓やホルモンの異常など病気のサインであることもあります。
この記事では、高齢猫が痩せてきたときに考えられる主な原因と、受診の目安について解説します。
見逃しやすい初期サイン 🐾

- 食べているが、少しずつ痩せてきた
- 食事量は変わらないのに体重が減っている
- 好きだったフードを残すようになった
- 食べるスピードが遅くなった
- 食後に口を気にする・前足で口元を触る
- 毛づやが悪くなり、毛玉やフケが増えた
- 寝ている時間が増え、活動量が減った
- 高い所に登らなくなった
- 便の量が減った/形が安定しない
- 水を飲む量が増えた気がする
- 月に1回程度の軽い嘔吐が続いている

毎日一緒に過ごしているからこそ、気づきにくい小さな変化が、体調不良のサインになっていることがあります。
高齢猫の体重減少の主な原因 🐾

高齢猫の体重減少は、加齢だけでなく、内臓やホルモンの異常など病気が隠れているサインであることも少なくありません。
① 慢性腎臓病

- 食欲低下・筋肉量低下
- 多飲多尿など
⬇️ 腎機能低下の症例はこちらも参考にしてください。🐱
② 甲状腺機能亢進症

- 食欲はあるのに痩せる
- 落ち着きがない
⬇️ 甲状腺機能低下症については、こちらも参考にしてください。🐱


③ 消化器の病気(腸・膵臓)

- 下痢・嘔吐
- 吸収不良
⬇️ 慢性膵炎の症例についてはこちらも参考にしてください。🐱
④ 口の病気(歯周病・口内炎)

- 食べづらそう
- 涎が多いなど
⬇️ 口内炎から食欲低下になった猫の症例はこちらも参考にしてください。🐱
⑤ 腫瘍性疾患

- 徐々に痩せる
- 元気が落ちる

そのほかにも、貧血や関節の痛み、高血圧などが重なり、食欲不振を起こしていることもあるため、単なる老化と決めつけないことが大切です。
受診の目安 🏥

- 半年で体重が5〜10%以上減少している
- 食欲が落ちている、食べムラが出てきた
- 間欠的な嘔吐がある(月に1回以上)
- 下痢が続いている(1週間以上)
- 水を飲む量や尿の量が増えている(多飲多尿)

これらの症状がひとつでも当てはまる場合、加齢のせいと判断せず、早めの受診をおすすめします。
⬇️ 食欲不振と動物病院受診の目安については、こちらも参考にしてください。🐱
まとめ 🌼
高齢猫が痩せてきた背景には、腎臓病や甲状腺の病気、消化器疾患など、さまざまな病気が隠れていることがあります。
また、貧血や痛み、高血圧などが重なり、食欲低下として現れるケースも少なくありません。
「年のせいかな」と様子を見ているうちに進行してしまうこともあるため、体重の減少や食欲の変化に気づいたら、早めの受診がおすすめです。

※本記事は、獣医師としての臨床現場での経験に基づいてまとめています。
個々の動物によって症状は異なりますので、気になる場合は動物病院での診察をおすすめします。
参考文献
日本獣医腎泌尿器学会編:
『猫の慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン』
日本獣医内科学アカデミー(JCVIM):
『猫の甲状腺機能亢進症に関する診療指針』
Ettinger SJ, Feldman EC.
Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th ed. Elsevier.
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