4歳のミニチュアダックスフントの男の子、チョコちゃんは、昨日から、震えていて、いつもの元気がない。

抱っこしようと、脇のあたりに手を入れようとすると、キャン!!
もしかして、脇に何かある?この辺(脇〜胸のあたりを触って)、触った時、なんですよね・・・
とご家族。
どっかが痛い?という診察は、ちょっと難しいです。
どこが痛いんですか?とわんちゃんに聞くわけにもいかず。
痛い場所を見つけるのは、獣医師の腕の見せ所かもしれません。
でもこのパターン、割とよくあるでのすが、
抱っこする時キャンとなるのは、脇や脇腹に問題があるのではなく、
抱っこによって、姿勢が大きく変わることが、痛くなるので嫌でなく。
特に、首や、腰の痛みの時にみられることが多いようです。
ダックスフントという犬種的にも、腰の椎間板ヘルニアかもしれない・・・と思いながら、
見落としがないように、診察!
まず全体の身体検査(熱、心拍、呼吸など)では、特に異常なし。
身体全体触って、傷や、腫れているところなし。
(咬まれた傷や、ワクチンなどの注射の痕が痛いことも。)
お腹を押して、異常なし。
(ここで実は、腎臓の石が詰まって痛かった!など、内臓に大きな異常があったという
怖いことも可能性あるんです!)
四肢の動きの確認です。
関節全部、曲げたり伸ばしたりして痛くないか確認。
麻痺がないか、動き方のチェック。
そして、首〜腰まで、背骨にそって、ゆっくり押していくと・・・
腰の辺りでキャン!
念の為、今度はお尻からスタートして、ゆっくり首に向かって押していくと、
やはり腰の辺りで振り返って嫌そうにしています。
再現性、あり。
レントゲン検査では、椎間板ヘルニアのような神経の問題は、確認が難しいことがおおく、
確定診断はCTやMRI検査を行うことですが、普通の街の動物病院で施設がないことが多いです。
しかしレントゲン検査でも、骨の大きな異常、骨折やヒビ、大きなずれや、
腫瘍や強い炎症などで骨が薄くなっていたり新しい骨ができていたりするのはわかることがあります。
他の病気を否定するためにも、今回レントゲン検査を実施。
特に異常は認められませんでした。
ここまでの検査で、チョコちゃんは腰の椎間板ヘルニアの可能性が高い、とお話ししました。
椎間板ヘルニアとは、背骨の椎骨、骨と骨の間でクッションになっている椎間板物質が
飛び出て、大きな神経を圧迫して痛くしているもの。
ダックスフントなど、特定の犬種にとてもよく見られる病気です。
程度によって、ふらふら歩きにくい、または全く歩けずおしっこも自分では出せない、など
重症では、外科手術をが提案されます。
チョコちゃんのように、痛けど麻痺はないなら、まずは安静第一。
2週間を目安に、安静にします。
散歩もしない。(トイレ外の子は最低限で)
ソファの登り降り、階段など、背骨が縦になるような運動はしないよう。
抱っこの仕方も、脇に手を入れてぐいっと持ち上げるのではなく、
背骨が垂直にならないよう、そっとお尻から胸も支えて背骨が水平を保つようにしたほうが良いです。
体重制限!腰の負担を減らすのに重要です。ぽっちゃりなチョコちゃん、がんばって(汗)
痛いのかわいそうなので、痛み止めも1週間くらい処方しますが、
飲んで痛いの治った!といって元気に動いてはいけません。
安静にして、炎症をとっていくのが治療です。
もし、歩きにくくなるなど症状が重くなってくるようだったら、早めにご連絡ください!とお話ししました。
もし愛犬が、どこか痛い?抱っこするとキャン!震える・・・といった症状がありましたら、
動物病院に来て、相談してみてくださいね!

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