膀胱炎、治ったと思ったらまた再発・・・
わんちゃんの繰り返す膀胱炎に、悩まれているご家族の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
膀胱炎を繰り返すのは、実は原因があります。
今回、来院してくれたフレブルの豆ちゃんは、膀胱結石と、神経の問題が繰り返す膀胱結石の原因でした。
🐶 症例 🐶
まめちゃん、フレンチブルドック、女の子。5歳。

まめちゃんは膀胱炎を繰り返し、良くなってもまた再発を繰り返しています。
歩きながらおしっこがポタポタ出て来てしまう。
また膀胱炎かな?
と来院されました。
それに、1ヶ月くらい前から歩く時に、つまづくようになったとのことです。
🩺 診察 🩺
🔵 おしっこの様子
まめちゃんは、キャリーから抱っこして出した瞬間、ジャーっとおしっこが出てしまいました。
床に溜まったおしっこを回収し、尿検査を行います。
おしっこはさっきしたばかりですが、歩きながらポタポタ落ちています。
診察台に乗ると、うんちもにゅにゅっと出てきます。
うんちの姿勢をして踏ん張るではなく、押し出されて出て来る感じです。
🔵 歩き方の様子
後ろ足にふらつきが見られました。
腰を振るような、足先を地面に擦るような、つまづくような感じで歩きます。
後ろ足の筋肉も、少し細くなって痩せている様子です。
🔬 検査 🔬
- 尿検査
球菌、ストルバイト結晶が確認されました。

- 超音波検査
排尿直後でしたが、膀胱内には尿がまだたくさんたまっている状態でした。さらに、砂状の結石がたくさん溜まっているのが確認されました。 - レントゲン検査
脊椎の異常が確認されました。フレンチブルドックでよく見られる、脊椎が圧縮されたような形状をしています。

📝 考察 📝
1️⃣ 膀胱結石の存在
膀胱結石があると、その表面に細菌が付着し、尿検査で尿中に細菌がいなくなっても、抗生剤をやめると、結石の表面に残っていた細菌がまた増えて膀胱炎の症状が再発すると言われています。
2️⃣ 神経の問題
まめちゃんをはじめ、フレンチブルドックの多くは脊椎の異常があると言われています。
全ての子に症状が出るわけではないですが、
まめちゃんの後ろ足のふらつきや麻痺、排尿・排便のコントロールができない、などは、関連した症状である可能性が高いです。
排尿時に膀胱内のおしっこを出し切ることができず、残ってしまうことで、細菌も膀胱内に残留しやすく、膀胱炎が治りにくい原因になっている可能性が高いです。
💊 治療 💊
1️⃣ 膀胱結石について →→→ 抗生剤と、療法食
まめちゃんの膀胱結石は、幸いストルバイト結晶という、溶けて消えてくれる結石でした。
療法食で尿の性状を中性にして膀胱結石を溶かし、結石がなくなるまでしっかり抗生剤を続けてみることにしました。
療法食は、担当の獣医さんに確認して、使用してくださいね!
2️⃣ 神経の問題について →→→ 安静と痛み止め
まずは神経の炎症を抑えることで、後ろ足の動きや膀胱の働きが改善するか経過をみてみることにしました。
しかし、脊椎の異常がある場合、成長に伴い、神経の働きが悪化してゆくこともあります。
症状が重度の場合は、さらにMRI検査など精査を行い、外科手術も検討していきます。
🌼 まとめ 🌼
膀胱炎を繰り返す原因には、
- 以前の膀胱炎が治りきる前に治療をやめている
- 膀胱結石の存在
- 排尿の障害(脊椎の問題などで膀胱内の尿を出しきれない状態。)
- 免疫力の低下(ホルモンの異常や、ステロイドの使用、高齢、持病がある、など)
などがあります。
もし、犬の膀胱炎が繰り返されるようであれば、何か当てはまる原因があるのかもしれません。
対策を加えれば、改善することもあるかもしれません。獣医さんに相談してみてくださいね!

まめちゃんの一例、参考にしていただけましたら幸いです。
コメントやご相談もお待ちしています!


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