便検査は大切
症例:高齢犬のジニーちゃん
今日は、マルチーズの男の子、16歳のジニーちゃんが来院されました。

ジニーちゃんはいつもは担当は院長で、私が診察するのは初めまして。
今日は院長が不在ですが、急な下痢をして、急遽受診しにきた、とのこと。

すぐ治るかな?とも思ったけど、高齢だし、早めにきました。

カルテを見てみると・・・いつもは眼の傷の治療と、甲状腺機能低下症で治療している様子。
あまり下痢で受診されたことはないようでした。
便検査
便の正常について
ジニーちゃんのご家族は、検査用にうんちを持参してくれました。
うんちはゆるゆる、ソフトクリームくらいで明るい茶色。
便検査でわかること
便検査をしてみると・・・
うちわのような、木の葉のような原虫の姿。ジアルジアの姿が!確認されました。


ジアルジア原虫は、小腸に寄生して、吸収不全と下痢をおこします。
ジアルジアとは?
子犬のような、免疫が確立していない子達によくみられ、
汚染した糞便が食事や飲水を介して口に入ることで感染するので、
ペットショップやブリーダーさんなどで感染が広がってしまうことが多く、
よく引き取ってお家にきたばかりの仔犬で、下痢がなかなか治らない!という子に
見つかることが多いです。
なので、16歳のジニーちゃんにジアルジアがみつかったのは、ちょっとびっくり。
高齢で、あまり外で他の犬と接触することもなさそうなのに・・・
ご家族にお話しを伺ってみると、数ヶ月前に、仔犬を迎えていたとのこと!
しかも、その子は、ジアルジアの治療をしていました!
ああ、それで、ジニーちゃんも感染してしまったんだと納得。
ジアルジアは大人では、感染しても無症状のこともありますが、
ジニーちゃんは、高齢に加え、甲状腺機能低下症もあって、
免疫力が下がって、感染、発症してしまったのかのしれませんね。
ご家族が、うんちを持参してくれたおかげで、確実な診断に繋げることができました!
治療
駆虫する内服のお薬を3日間飲んでもらって、1週間後に確認の便検査、としました。
その後
まとめ
下痢の診察で、便検査はとっても大切!
お散歩やドッグランで、なにかをうっかり口にしてしまうこともあるかと思います。
わんちゃんたちの寄生虫や原虫感染、たまに見つかりますので、
皆様の愛犬が下痢をした際には、ぜひとも便持参で、動物病院に行ってみてくださいね!

コメントやご相談なども、お待ちしています。


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