今日は、犬の嘔吐でも、大変なことがおこっていた、というケースです。
13才のポメラニアンのすずちゃん。
2日前から急に、何回も吐いて、下痢をした。全く食べないし、震えて元気もない。
おしっこの色も濃かった。とのことです。

お腹を触ると、びくっと痛そう…
白眼や耳を見ると、ほんのちょっと黄色い。
これは、一時的な消化器症状とは違うかも•••
と思いながら、まずはお腹の超音波検査をさせてもらいました。
お腹の超音波検査は、うちの病院では吐き下痢の子、ほぼ全員実施しています。
基本的に痛くないし、動物が立ったままでもみることができます。
情報量が多く、とても重要な検査です!
すると、肝臓についている、胆嚢に異変が。
正常なら水風船のようにフワフワな袋状なのが、ゴムボールの様に固くなっています。
“胆嚢粘液嚢腫“になっていました。
さらに、胆嚢につながる細い管、総胆管が腫れています。
総胆管の閉塞がおきています。
血液検査でも、黄疸や、肝臓の数値や炎症の数値などかなり上昇していました。
これは、すずちゃん、かなりお腹が痛くて、苦しい状態かも。
このまま進行すれば、命に関わる、危険な状態になる可能性があります。
入院での治療を提案しました。

もし、数日入院しても、詰まりが取れず、黄疸が引かないなら、手術が必要です。
痛み止めと、吐き気止め、抗菌薬と、静脈点滴と•••

幸い、3日後、総胆管の詰まりがとれ、黄疸も引いて、ご飯も食べられるようになりました!
・・・ですが、硬くなった胆嚢、胆嚢粘液嚢腫は元に戻ることはありません。
またいつ、総胆管に詰まるかわからない状態です。
いったん退院し、2週間後。
すずちゃんは胆嚢を摘出する手術を受け、無事成功!

定期検診では元気な姿を見せてくれています。
本当に良かったね、すずちゃん!!

!犬は全身、皮膚が被毛で隠れているので、肌が黄色くなる黄疸が人と違って分かりにくいです。
!かつ、胆嚢粘液嚢腫や、総胆管の閉塞のように、超音波検査でないと診断が難しい病気があります。
早めに病院に連れて来てもらって良かった、
そして超音波検査が重要であった一例です。
犬が繰り返し、吐いている。ぐったり、元気がない•••
ぐったりしている時、嘔吐が頻回で、おさまらないときは、早めに動物病院にご相談くださいね!

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