いつも、肛門腺を絞りに来てくれる、
柴犬のアンディくん。

『今日は左の耳を痛がっているみたいだから、診てみてください』とお母さん。
『2ヶ月くらい前に、右耳が外耳炎だったから同じかな?』
アンディくんの耳を見てみると、
赤く腫れ、茶色っぽい耳垢が大量!
・・・痛そうです。
そうですね。やっぱり外耳炎を起こしていました。
そっと耳垢を採取。

マラセチアという酵母菌が見つかりました。
外耳炎の原因は、
マラセチアという酵母菌が
もっとも多いですが、
細菌や、耳ダニが原因になっている
ことがあり、注意が必要です。
治療法がそれぞれ違うので、
検査で確認すると良いです!
マラセチアは常在の微生物なので、
常に犬の皮膚にいてもいいのですが、
脂分が大好きで、耳などで増殖して
炎症を起こします。
繰り返すことも多いです。
耳に入れる点耳薬、
2ヶ月前はお家で、問題なくできましたか?
と聞くと•••

『できましたす!2ヶ月前は押さえつけて、
なんとか、格闘しながら、薬入ってるかどうか
分からないけどやりました(笑)!!』
いやいや、そんな・・・(汗)
外耳炎は、素因に、耳の構造やアレルギーなどが
存在し、繰り返すことも多いです。
都度、格闘させるわけにはいきません(汗)
マラセチア性の外耳炎の治療は、
点耳薬で行うことが多いですが、
耳にぽたっと点耳薬を入れる治療を、
自宅で1日2回くらい、1、2週間続ける必要があります。
問題なく、耳を触らせてくれる子も
いますが・・・
動物病院では耳の処置ができるけど、
家だと怒ってぜったい耳触らせない!!
というのは珍しくありません。
そんなときは、動物病院で、
効果が長く続く、ジェル状の薬を耳に注入することで治療します。
これだとおうちでは何もしなくても良い、便利な薬です!!
1週間後にまたきてもらって、様子でもう1回同じことをします。
この治療の欠点は、
点耳薬をおうちでしてもらうより、
すこし費用が高く、
もう一度動物病院にきてもらう
手間がかかります。
痛みがさらに重度であれば、
動物病院がトラウマになってしまうので、
診察でも耳には無理に触らずに、
1週間くらい、飲み薬を使って、
炎症をひかせてから処置することも
あります。
アンディくんの左耳をそっと消毒し、
長期で作用してくれるジェルのお薬を、
耳道の奥に、たっぷりと注入!
診察室から出ると、アンディくん、
頭をブンブン振って気にしています。
ちょっと続くかもしれないけど、
だんだん落ち着いてくると思います。
また来週、もう一度お薬して終了かな。
優しい、アンディくんのお母さん。
アンディくんをなおしてあげたい一心で、
点耳を頑張っていたんですね。
でも、無理して、怪我したら大変です。
動物病院の診察では、
おうちで無理なく治療ができるかどうかも
ちゃんと気を配って、
おこなうことが重要だと思っています。
耳が痛い、外耳炎のアンディくんの一例です。
参考にしていただけましたら幸いです!

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