猫が急に血尿!実は、ストレスが関係していた…突発性膀胱炎の例

猫のマルちゃんは、待合室からずっとミャオミャオ、泣いて待っていました。

診察台では、瞳孔がまんまる。尻尾はボワッと、
タヌキのように膨らんでいます。

連れてきてくれた、ご家族のお母さんは、
今朝からマルちゃんのおしっこが真っ赤に。
びっくりしてきてくれました。

元気、食欲はありますか?と聞くと、
元気はあるけど、最近、実は子猫を迎え、
その子との関係があまりよくない。

新入り子猫は遊びたくてマルちゃんに
近づいていくけど、
マルちゃんは嫌で、逃げては
シャーシャー言っている・・・


マルちゃんは緊張Maxなので、そおっと診察します。
お腹を触っても、膀胱には触れません。
ほとんど尿が入っていないみたい。

超音波検査をしてみると、
普通は薄い膀胱の壁が、
とても腫れて、分厚くなっている。
膀胱結石はない・・・

気づくと、診察台に、
赤い尿がポタポタと落ちていました。
頻尿感と緊張で、マルちゃん少し出てしまったみたい。
これは、尿検査のチャンス。

スポイトで尿を吸い取って、
顕微鏡で確認します。

顕微鏡で見てみると、
赤血球がたくさん
白血球や、細菌は、ほとんどない。
結晶成分もなし。

以上のことから、おそらく、
突発性膀胱炎の可能性が高いかと。

突発性膀胱炎とは。
その名の通り、
急に血尿・頻尿が始まります。
しかし、結石や細菌感染などの明確な
原因がないのです。

猫の膀胱炎の原因で最も多いです。
ストレスや性格が大きく関与すると考えられています。


なので、治療は、抗菌薬や尿石を溶かすサプリや
ご飯ではありません。

今回は、鎮痛剤と皮下輸液で水分補給をしていただきました。

しかし・・今回の原因は、どうやら明確でした。

マルちゃんにとって、
新入り子猫の登場は、一大事!!

平穏な生活が崩れ落ち、多大なる危機を感じていた模様です。

実は猫にとって、あたらしい猫の出現や、多頭飼育は大きなストレスになります。

最初のうちは、先住の子ファースト。
1人の時間や甘やかす時間を確保して、
少しずつ猫同士の面会時間を伸ばし、
キャットタワーや別室など、
逃げられる安全な場所もできれば
用意してあげるとよいでしょう。

時間をかけて同居できるようにしていきましょう。

トイレも猫の数+1個、が良いとされています。
マルちゃんちでは、トイレ3個必要ですね。

とはいえ、ストレスの原因が何かさっぱりわからない、突発性膀胱炎もあります。

ストレスの原因がわからない。
あるいは近所で工事しててうるさいとか。
解決しようもないと、ご家族も苦しいですよね・・・

ある程度、体質でなりやすいと、考えるしかない子がいるのも確かです。

完全解決を目指すのではなく、
すこしでも緩和できるように、
生活の工夫についてアドバイスしたり、
サプリや精神安定剤、食事の提案をしています。

マルちゃん、新しい子との暮らしが楽しいものになるように、応援しているよ!

コメントやご相談もお待ちしています。

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