「今日は猫の去勢手術♂の日でした」― 手術の流れとその後のようす

予防

今日は5ヶ月の猫の去勢手術があります。
スコティッシュフォールドの大福ちゃんです。

猫の去勢手術のメリットはいろいろありますが、
❕去勢手術をしないと、雄々しくなります・・・
  外に出て、雌を求めて放浪したがったり、猫も閉じ込められているとストレスかと。
❕顔つきも、ほっぺの横の脂肪がついて丸っこくなります。
 (ちょっとふてぶてしいような・・・これはこれで素敵で好きですが!)
  がっしり、筋肉質になります。
マーキングもしますし、おしっこの匂いがきつくなります。
  たまに未去勢の男の子が入院していると、出勤時に部屋に入った時点で、
  未去勢の雄猫が入院しているのかな〜とわかっちゃったり。けっこうきつい匂い・・・
未去勢雄も、素敵な存在感がありますが、ちょっと飼いにくくなるかも、と思います。

大福ちゃんは、朝ごはんまだー?にゃー、とないていたところ、キャリーに入れて連れてきました、と
ご家族は話してくれました。

胃の中に、ご飯が入っていると麻酔をかけた時に、万一吐いてしまうと詰まって危ないので、
手術の日は絶食をお願いしています。

猫の去勢手術は、当日帰り。夕方、お迎えにくるよ〜と、ご家族は帰って行きます。

さっそく、体重測定と採血、血液検査を行います。

13時。午前の午前の外来が終了しました。
去勢手術の準備を開始します!

去勢手術は、動物看護師さんと獣医の2人で行います。

動物看護師さんが、手術室に大福ちゃんを連れてきてくれました。

太ももの内側の血管へ、麻酔薬を静脈注射すると・・・

力が抜けてクッタリした大福ちゃんに、すばやく気管チューブを入れて、
心電図、血中酸素濃度、血圧の測定器をつけて。
眼が乾燥しないように、眼に軟膏を塗って。
抗菌薬、痛み止めの注射をして。
手術する場所の周辺を毛刈りして、
動物看護師さんが消毒してくれている間に、私は手の消毒をします。

去勢手術では、陰嚢2つの膨らみの真ん中の皮膚を、5〜6mmくらい縦に切開します。
そこから左右の精巣を順に取り出して、糸で縛ったり切ったりして精巣を摘出します。
その後、切った皮膚は縫いません。そのままでも、猫の陰嚢の傷はくっついてしまうので大丈夫。
うちの病院では一応、外科用の接着剤でかるくくっつけて、終了。

麻酔を入れて、目が覚めるまで20分くらいでしょうか。

眠っている間に、皮下輸液をして、傷を舐めないよう、エリザベスカラーをして、
しっかり目が覚めるまで、低体温に気をつけて、ケージで休んでいてもらいます。

夕方17時ごろ、ご家族がお迎えに来てくれました。

手術と手術後の注意点をお話しします↓↓

  • 術前の血液検査では何も問題なし。
  • 手術の傷跡は、陰嚢の真ん中に1カ所。縫合していないので、抜糸の必要はありません。
    一応、2、3日はエリザベスカラーをしておいて、気にして舐めないのを確認しながら外して下さい。
  • 術後の内服薬はとくにありません。
  • ご飯について、本日は与えないで、明日からにして下さい。
    手術後は、今までと違い良いだけ食べていると、太りやすくなることも確かですが、
    ちゃんとご飯の量を測って気をつけていれば、防げることが多いと思います。
    手術後の子用のご飯も利用されると便利です。
  • 術後安静は基本的には必要ありません。普段通りの生活をして基本的には問題ありません。

キャリーの中で硬く、丸くなって警戒していた大福ちゃんですが、ご家族の顔をみると
表情がふわっとやわらぎ、にゃんにゃん!鳴き始めました。

大福ちゃん。本当によく頑張ったね!今日はゆっくり休んで、明日からたくさんご飯食べて、
元気になってね!

猫の去勢手術はけっして難しい手術ではありませんが、人と猫が幸せに生活するために大切な、
男の子の猫にとっては最初の試練です。
元気な子を元気なままにお返しするために、スタッフも気を引き締めて取り組んでいます!

上記は、私の動物病院での一例ですが、参考にしていただけましたら幸いです。

コメントやご相談なども、お待ちしています!

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