「猫が何度も吐く…」診察室で出会った一匹の猫のはなし

嘔吐

4歳の猫の女の子のむぎちゃん。2日前から、吐いてばかり。

素敵な長毛のむぎちゃん。最初は、大きな毛玉をゲっと吐いたそう。
その後、夜ご飯を食べたけど、1時間くらいしてオエッと吐いてしまった。

それから、夜間、数分おきに、7、8回は吐きが繰り返された!

翌朝、朝ごはんをあげると食べたけど、また吐いてしまった。
なんだか元気もない・・・とのこと。

といったご家族も、心配で、眠れなかった模様。とても疲れたお顔です。
本当に、お疲れ様です(汗)

4歳、比較的若い子の嘔吐の診察で大切なのは、腸になにか詰まったりしてないかどうか?です。

緊張しているむぎちゃんに、ごめんねちょっと触るねーと気を使いながら、
お腹を触って調べます。最初はそっと、だんだん奥までしっかりぐいっと丹念に
猫のお腹は柔らかく、ここで腸の中の異物(おもちゃや毛玉など詰まらせているもの)や、
大きい癌など、わかってしまうこともあります。

ここまでむぎちゃんは問題はみつかりませんでした。

超音波検査を行います。
超音波検査は、痛くないし、得られる情報量がとっても多いので、
腸の閉塞を見落とさないように
私の病院では吐いている子ではほとんどの場合実施します。

超音波でお腹をのぞいてみてみると、胃の中には、朝ごはんと思われるものが少々。
十二指腸の中には何もなし、小腸の中にも、液体がたまってない様子。

腸の閉塞は確認されませんでした。

今回は、最初に毛玉を吐いてしまったことがきっかけで、吐きやすい状態になって、
悪循環になっているのかもしれません。

今回は、吐き気止めの注射と、脱水の予防のために皮下輸液を実施しました。


しばらく、夕方まで絶食。吐く様子がなければ、ご飯をいつもの1/4くらいの量から始めて、
少しずつご飯の量を増やして様子を見てくださいね!

ですが、毛玉やビニールなど、柔らかいものが不完全に腸に詰まっている場合など、
超音波検査でもわかりにくく見落としてしまうこともあります・・・

明日もまだ吐いてしまうようなら、やっぱりまた明日も来てね!と念押しして、
今日はおしまいになりました。

猫ちゃんが繰り返し吐いている時は、悪循環でさらに嘔吐が続いてしまうことがあるようです。
そんなときはやはり一旦、吐き気を抑える治療をしてあげた方が良いようです。

しかし、猫の嘔吐はパターンも原因も、本当にたくさんあります!
猫は、確かに吐きやすい動物ですが、吐いて良い動物というわけではありません。

繰り返し吐く!という様子が見られたら、動物病院に行ってみてくださいね!

コメントや質問もお待ちしています!

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