「元気だから大丈夫」
そう思っていても、健診で思いがけない異常が見つかることがあります。
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、かなり悪くなるまで症状が出にくい臓器です。
実際に、元気・食欲がある状態で見つかった肝臓疾患の症例をまとめました。
「元気なのに肝酵素が高い」と言われたとき、どう考えればいいのか。
この記事では、健診で見つかった3つの症例をご紹介します。
なぜ元気でも病気が見つかるのか?

肝臓は再生能力が高く、症状が出にくい臓器です。
そのため、食欲や元気があっても、血液検査で初めて異常が見つかることがあります。
特に注目されるのが以下の肝酵素です。
- ALT:肝細胞ダメージの目安
- AST:肝臓や筋肉で上昇
- ALP:胆汁やホルモンの影響
- GGT:胆道系トラブルの指標
※ASTは旧称GOT、ALTは旧称GPTと表記されることもあります。

それぞれの詳しい見方については、こちらの記事で解説しています。⬇️
▶ 元気なのに肝酵素が高い?ALT・AST・ALP・GGTの見方を解説
症例まとめ 🐾

いずれも、元気や食欲は保たれていましたが、
血液検査で肝酵素の上昇が見つかったことをきっかけに、病気が判明した症例です。
今回は、その3例をご紹介します。
🟡 症例① 肝臓腫瘍

元気・食欲ともに問題なし。
健診で肝酵素の上昇が見つかり、超音波検査で肝臓の腫瘤が確認されました。

自覚症状がないまま進行することもあるため、血液検査は重要なサインになります。
👉 詳細はこちら(内部リンク)
🟡 症例② クッシング症候群

元気で食欲もあるものの、健診でALPの上昇。
追加検査により、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が見つかりました。
肝酵素の上昇が、ホルモン疾患の発見につながることもあります。
👉 詳細はこちら
🟡 症例③ 胆嚢粘液嚢腫

無症状のまま、健診の超音波検査で発見。
破裂すると命に関わることもある病気です。

元気なうちに見つけられたことが、その後の選択肢を広げました。
👉 詳細はこちら
飼い主さんに伝えたいこと 🌼
元気で食欲があることは、とても良いサインです。
しかし、それだけで「病気がない」とは言い切れません。

肝臓の病気は、症状が出にくいものも多く、
健診が“最初のサイン”になることがあります。
元気な今こそ、健診の価値がある。
そう感じていただければ幸いです。



※本記事は、獣医師としての臨床現場での経験に基づいてまとめています。
個々の動物によって症状は異なりますので、気になる場合は動物病院での診察をおすすめします。
参考文献
Center SA. Interpretation of Liver Enzymes. In: Ettinger SJ, Feldman EC, Côté E (eds). Textbook of Veterinary Internal Medicine. 8th ed. Elsevier; 2017.
Webster CRL. Canine and Feline Hepatobiliary Disease. In: Nelson RW, Couto CG (eds). Small Animal Internal Medicine. 6th ed. Elsevier; 2020.
日本獣医内科学アカデミー(編)
小動物内科学 第2版 文永堂出版.





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