小太郎くんは、5歳の雑種の猫。

昨日から左眼が開けられない。
黄色い眼ヤニが出る、涙も多い、、
と来院されました。
左眼だけ半分くらい閉じて、眩しそうにしています。
元気も食欲もあるんだけど、とのこと。
結膜炎ですね!眼薬出しますね!終了!
・・・と、早まってはいけません。
猫ちゃんの眼の症状で、気をつけるポイントのひとつは、
片眼だけの問題か、その他にも問題があるか?
猫では風邪の原因であるヘルペスウイルスなどの感染により、両眼で結膜炎、加えて鼻詰まり、口内炎などがみられることもあります。
なので、眼だけでなく全身チェックです。
小太郎くんは、反対の右眼なにもなし、呼吸状態大丈夫、口の中問題なし、発熱無し。
・・・左眼だけの問題のようです。
次に、まぶたの構造や、異物がないかどうか。
瞼が生まれつき、一部が裏返って、刺激していたり、
植物などが瞼の裏から見つかる、なんてこともあります。
眼の周辺の構造を、油断なく調べます!
そして、眼球の状態。
その前に。
問題の左眼は、小太郎くん痛すぎて開けられず、見えにくいので、
点眼麻酔をして、痛みを和らげます。
しばらくすると、半分閉じていた左眼は、ぱっちり開きました。
眼に、スリットランプという機械で光を当て、眼の内部の構造、濁りや出血などがないか、調べます。
そして、眼の表面の傷を分かりやする、特殊な染色液を少し眼に垂らします。
すると・・・眼の表面の角膜に、小さな傷があることが分かりました!!
これが痛くて、眼が開けられなかったんですね。
幸い、貫通するような深い傷ではなく、擦ったような浅いものでした。
細菌による感染もあるようなので、
ヒアルロン酸点眼と、抗菌薬の点眼の2種類を、それぞれ5分ほど間隔を空けて、1日3、4回使ってもらうようにお話ししました。
引っ掻いて傷がさらにつかないように、エリザベスカラーを首につけて、また1週間後にきてもらいます。
こんな感じで、眼の具合を診察しています。
眼だけでなく、全身や周辺に何かないか慎重に・・・!
もし、猫ちゃんが眼が痛そう、開きにくい、目脂や涙がたくさん出る、などありましたら、動物病院にご相談くださいね!

コメントやご相談なども、お待ちしています。

