猫の皮膚がかゆい原因一覧|寄生虫・アレルギー・病気を獣医師が解説

皮膚

「最近、猫がよく体を掻いている」「毛が薄くなってきた気がする」
そんな変化はありませんか?

猫の皮膚のかゆみは、寄生虫や感染症、アレルギー、内科的な病気など、さまざまな原因で起こります。
一見軽そうに見えても、放っておくと悪化してしまうケースも少なくありません。

この記事では、猫がかゆくなる主な原因や、家庭で確認できるポイント、動物病院で行う検査について、飼い主さん向けにわかりやすく解説します。

この記事でわかること📝
  • 猫の皮膚がかゆくなる主な原因
    (寄生虫・感染症・アレルギー・内科疾患など)
  • 家庭で確認できる、かゆみのサインや注意点
  • 動物病院で行う皮膚検査・血液検査の内容と目的
  • アレルギー性皮膚炎の考え方と診断の流れ
  • 受診の目安と、早めに相談することの大切さ

猫の皮膚がかゆくなる主な原因 🐾

猫がかゆくなる原因には、
感染症(寄生虫・細菌・真菌など)アレルギー内分泌疾患などが挙げられます。


寄生虫

  • ノミ・ノミアレルギー
  • ミミヒゼンダニ
  • 疥癬
私(獣医)
私(獣医)

外に出る猫はもちろん、室内飼いの猫でも、人の衣服や荷物に付着して持ち込まれることがあります。
ノミは気温が13〜15℃以上になると繁殖しやすくなるため、室内でも通年注意が必要です。


細菌・真菌感染

  • 真菌症(皮膚糸状菌)
    円形脱毛・フケ
  • 細菌感染
    膿や悪臭がする皮膚炎
  • マラセチア

アレルギー

  • 食物アレルギー
  • 環境アレルギー(ハウスダスト・花粉など)
  • アトピー性皮膚炎
私(獣医)
私(獣医)

アトピー性皮膚炎は、食事やノミ、感染症などの原因が除外されたあとに診断されます。

⬇️ アトピー性皮膚炎が疑われた猫の症例は、こちらも参考にしてください。🐱


内科的な病気

  • 甲状腺機能亢進症
  • 慢性腎不全
  • 心因性(過剰グルーミング)

家で確認できるポイント 🐾

  • しきりに体を掻く・舐める
    特定の場所を何度も気にしている場合は要注意です。
  • 毛が薄くなっている、抜けている
    舐めすぎによる脱毛や、左右対称の脱毛が見られることもあります。
  • 皮膚の赤み・ブツブツ・かさぶた
    首まわり、耳の後ろ、腰〜しっぽの付け根は特にチェックしましょう。
  • フケが増えた、皮膚がベタつく
    皮膚の状態が悪化しているサインのことがあります。
  • いつもより怒りっぽい、触られるのを嫌がる
    かゆみや違和感によるストレスが影響している場合もあります。
私(獣医)
私(獣医)

猫の舌はザラザラしているため、過剰なグルーミングは皮膚を傷つけ、症状を悪化させてしまうことがあります。
このような状態が続く場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。


動物病院での検査 🐾

動物病院での皮膚検査では、まず寄生虫・細菌・真菌などの感染症がないかを確認します。
そのうえで、ホルモンの異常などの内科疾患やストレス性の可能性が低い場合に、
アレルギーの関与がないかを検討していきます。


ノミの感染の確認

ノミやノミのフンがいないかをチェックします。
完全室内飼育でも、念の為注意が必要。

私(獣医)
私(獣医)

ノミが直接見つからなくても、黒い小さな粒が体についていることがあります。これを少し濡らすと赤くなる場合、ノミが血を吸ったあとのフンだと分かります。


抜毛検査

皮膚糸状菌と呼ばれるカビは毛に感染するため、毛を採取して、菌が付いていないかを顕微鏡で調べます。


セロテープ(押捺)検査

皮膚にセロテープを軽く押し当てて採取し、細菌や酵母様真菌が増えていないかを確認します。


血液検査

血液検査は、皮膚の問題だけでなく、
甲状腺機能亢進症などの内科的な病気が背景にないかを確認するために行います。

私(獣医)
私(獣医)

アレルギー性皮膚炎の診断は

  • かゆみが出る部位や症状のパターン
  • ほかのかゆみの原因を否定すること
  • アレルギー性皮膚炎として治療した際の反応

などを総合して、行います。

さらに、食事性アレルギーの可能性を検討し
それが否定された場合に、アトピー性皮膚炎と診断されます。


まとめ 🌼

猫の皮膚のかゆみは、寄生虫や感染症、アレルギー、内科的な病気など、さまざまな原因で起こります。
猫はかゆみを舐めることで隠してしまうことが多く、気づいたときには症状が進んでいることも少なくありません。

原因を特定するためには、皮膚の検査や血液検査などを組み合わせて、一つずつ可能性を確認していくことが大切です。
かゆみが続く、脱毛や赤みが見られる場合は、早めに動物病院に相談しましょう。

早期に対応することで、症状の悪化を防ぎ、猫ちゃんの負担を減らすことにつながります。

※本記事は、獣医師としての臨床現場での経験に基づいてまとめています。
個々の動物によって症状は異なりますので、気になる場合は動物病院での診察をおすすめします。

参考文献

日本獣医皮膚科学会 編
『獣医皮膚科学』文永堂出版

日本小動物獣医師会
犬・猫の皮膚病に関する解説
https://www.jsava.or.jp/

Miller WH, Griffin CE, Campbell KL
Muller & Kirk’s Small Animal Dermatology
Elsevier

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執筆者:獣医師 pawmyan(小動物臨床/犬・猫の診療経験14年)

犬・猫の小動物臨床に14年以上携わってきた獣医師です。
診察室でよくある質問や、飼い主さんが不安に感じやすいポイントを中心に、わかりやすく解説しています。

記事内容は一般的な獣医学的情報をもとにしています。診断や治療については、必ず動物病院でご相談ください。

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