「なんとなく元気がないけれど、様子を見ていて大丈夫かな?」
犬は言葉を話せないため、体調の変化に気づきにくいことがあります。
一時的な疲れや環境の変化が原因のこともありますが、病気の初期サインとして現れる場合も少なくありません。
この記事では、犬が急に元気をなくしたときに考えられる原因や、受診の目安、動物病院で行う検査について、獣医師の視点からわかりやすく解説します。
犬が急に元気がないときに考えられる原因 🐾

よくある原因
- 体調不良・病気
- 発熱、感染症
- 消化器トラブル(胃腸炎、誤飲)
- 痛み(関節、腰、歯、内臓)

- 食事・水分の問題
- 食べ過ぎ・食べ慣れない物
- 脱水(特に暑い時期)

- 環境やストレス
- 気温の変化(暑さ・寒さ)
- 引っ越し、留守番、来客など

- 中毒・誤食など
- 玉ねぎ、チョコレート、薬、殺虫剤など
- ゴミ箱漁り、おもちゃなどの誤食


引越しやゴミ箱あさりなど明らかな誘因があることもありますが、原因が特定できない場合には、関節の痛みや基礎疾患が関与している可能性も考えられます。
⬇️ 震えて元気がなかった原因が腰の痛みであった症例はこちらも参考にしてください🐶
⬇️ ストレスが体調不良のきっかけになった症例はこちらも参考にしてください🐶
すぐに受診したほうがよいサイン 🚨

以下が1つでも当てはまれば早めに動物病院へ。
- 半日〜1日以上ぐったりして動かない
- 食欲・飲水がほぼない
- 嘔吐・下痢を繰り返す、血が混じる
- 呼吸が荒い、苦しそう
- 震えている、痛がる、触ると怒る
- 歩き方がおかしい、立てない
- 意識がぼんやりしている、反応が鈍い
- 子犬・老犬で急な元気消失

子犬では急激に症状が悪化しやすく、老犬では基礎疾患が関与しているケースも少なくありません。早めに動物病院を受診しましょう。
⬇️ 急な体調不良から、入院治療となった症例は、こちらも参考にしてください。🐶


自宅で様子を見てもよいケース

- 少し元気がないが、食欲・水分はある
- 散歩やトイレは普段通り
- 数時間以内に回復傾向がある
※ただし翌日まで改善しなければ受診をおすすめします。

明らかなきっかけがあり、水も飲めていて脱水の心配がなければ、1日ほど様子を見ることもできます。しかし、原因がわからない場合や、子犬・老犬では早めに動物病院を受診しましょう。
飼い主さんがチェックしたいポイント

- 食事量・飲水量
- 嘔吐・下痢の有無
- 排尿・排便の回数
- 痛がる様子や歩き方
- いつから、何がきっかけか

お家での出来事や普段の様子は、言葉を話せない犬たちが元気をなくした原因を見つけるための、大切な手がかりになります。
病院ではどんなことをする?🏥

まずは、お家での様子について詳しくお話を伺います。

- いつから元気がないか
- 食事や水はとれているか
- 環境の変化や思い当たる出来事がないか
そのうえで、全身の状態を確認する入念な身体検査を行います。

必要に応じて、血液検査や画像検査などを組み合わせ、原因を探っていきます。

痛みの可能性がある場合

歩き方や姿勢、触診の反応などから痛みを評価し、必要に応じてレントゲン検査などを行います。
消化器の病気が疑われる場合

嘔吐や下痢、食欲低下がみられるときには、胃や腸の状態を確認するために超音波検査などを行います。
体重減少や全身状態の変化がある場合

慢性的な病気が疑われる際には、臓器の働きを調べるために血液検査などを行います。

言葉を話せない犬の体調不良の原因を見つけるのは難しいこともありますが、入念な問診と身体検査を行い、その結果から必要な検査を検討し、適切な治療をご提案します。
⬇️ 血液検査や尿検査から腎機能低下がわかった、犬の症例はこちらも参考にしてください。🐶
まとめ 🌼
犬が急に元気をなくす原因には、体の不調だけでなく、環境の変化や一時的な体調不良など、さまざまなものがあります。
引越しや生活リズムの変化、食べ慣れないものを口にしたことがきっかけになることもあります。
一方で、原因がはっきりしない場合や、子犬・老犬では、背景に病気が隠れていることも少なくありません。
元気がない状態が続く、食欲や飲水量が減っている、ぐったりしているといった様子があれば、早めの受診をおすすめします。
「元気がない」は病気の初期サインであることも多いため、
少しでも迷ったときは、早めに動物病院を受診すると安心です。

※本記事は、獣医師としての臨床現場での経験に基づいてまとめています。
個々の動物によって症状は異なりますので、気になる場合は動物病院での診察をおすすめします。
参考文献
日本獣医内科学アカデミー編:『獣医内科学 第3版』 文永堂出版
日本獣医師会:「犬・猫の体調不良に気づくためのポイント」
日本小動物獣医師会(JSAVA):「小動物診療における初期症状の考え方」

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